Q_10b回答:約 0.3トン
(1)食事量から推定
人間が二酸化炭素をはき出すのは食べ物を体内で分解(燃焼)するからです。
日本人の食事による1日平均摂取量を2300 kcalとし、このエネルギーが全てブドウ糖(グルコース)の燃焼から得られると仮定してみます。
C6H12O6 + 6O2 → 6CO2 + 6H2O + 2800 (kJ/mol)
グルコースの燃焼熱は 2800 kJ/mol(669 kcal/mol)なので必要なグルコースの量は1日 3.44 mol ということになります。
燃焼に際して、1分子のグルコースからは6分子の二酸化炭素分子が発生しますから、1日2300 kcal をグルコースの燃焼で供給するとした場合 3.44 mol の6倍、つまり 20.6 mol の二酸化炭素が発生します。
重さにすると、906(20.6×44) g、年間にすると330,000(365×906) g = 330 kg = 0.33 t になります。
(2)人間の呼吸量から推定
人間は1日でおおよそ10 m3の空気を吸って、吐いていると言われています。空気(吸気)中の二酸化炭素は約0.4%(400ppm)ですが、呼気の二酸化炭素は約4%だそうです。
1日の呼気体積にすると0.4 m3 = 400L、モルにすると18(400/22.4) molで、重さにすると792(18×44) gになります。年間にすると289,000(365×792) g = 289 kg = 0.29 t になります。
食事量と呼吸量2つの方法で推定した数値は近く、生物としての人間が呼吸して出している二酸化炭素量はおおむね年間0.3トンと考えて良いでしょう。そうすると、人間が排出する二酸化炭素10人分を
1ヘクタールの森林が吸収する[前問題(10a)]という計算になります。
なお、人間社会が化石燃料を燃やして出している二酸化炭素量はもっと多く、大阪府の二酸化炭素年間総排出量を人口で割ると一人当たり年間おおよそ6トンということになります。
(2015年の統計データ:51,320,000[t]/8,839,469[人] = 5.8)